子どもが約束を守らなかった時、親が与えるべきは「罰」ではなく「愛」

前回は、

「子どもが約束を守らないのは、その約束を守ることが子どもの不利益に繋がっているから。

子どもが自分から約束を守るためには、子ども自身が約束の意味や目的を理解し、納得しているから」

っていう話をしました。

 

親子のルールの目的

 

親にしてみれば、

「子どもが約束を守らない」

「子どもが言うことを聞かない」

っていうのは、

「この子は、社会のルールを守れるんだろうか」

って不安になるかもしれません。

 

でも、親子間の約束を守れなくても、子どもは社会の中では生きていくことができます。

なぜなら、

「社会のルールと、親子間のルールは、性質も目的も全然違うから」

です。

 

社会のルールの目的は、

「その共同体全体の利益を守るため」

「その共同体に属する人の安全と安心を守るため」

です。

 

一方で、親子間のルールの目的は、

「親が、子どもを想い通りに動かすため」

です。

 

もちろん、全てではないのですが、少なくとも、

「子どもが理解していないルール」

「子どもが納得していないルール」

に関しては、全て、

「親が子どもをコントロールするためのルール」

です。

 

親が直接、

「~しなさい!」

って言っても聞かないもんだから、

「ルールなんだから、守りなさい!」

っていう形に変えただけで、やっていることは同じです。

 

もし、そのルールが、

「子どもの安心や安全を守るため」

であるならば、

「罰」

なんていりませんよね。

 

なんでかっていうと、罰があると、その罰の存在が子どもの安全や安心を脅かすからです。

子どものためを思うルールであるならば、

「子ども自身が理解して、納得している」

はずだし、

「約束を守らなかった時の罰は無い」

はずです。

 

子どもの安全や安心を守るためのルールなのに、

「守れなかった時の罰によって、子どもの安全や安心が脅かされる」

っていうのは明らかに矛盾していますよね。

 

じゃあ、

「子どもに対するルールは要らないのか?」

っていうと、そうではありません。

 

罰や叱責は逆効果なことがある

 

例えば、「門限」ってありますよね。

「18時までに帰ってきなさい」

的なやつです。

 

おそらく、門限を守らなったら、

「子どもを叱る」

「子どもに罰を与える」

っていう親が多いんじゃないでしょうか。

 

でも、

「門限を破ったら罰を与えたり、叱ったりする」

っていうのは、基本的には逆効果です。

 

特に、子どもが思春期を超えてから、

「門限を破ったら罰を与えたり、叱ったりする」

ってやると、子どもが反発をすることが少なくありません。

 

親は、子どもに門限を守ってほしいのに、子どもに反発されてしまうと、余計に帰りが遅くなります。

さらに悪いことに、

「親を心配させるために、わざと遅く帰ってやろう」

っていう気持ちが子どもの中に芽生えたりします。

 

子どもがそう思い始めると、

「子どもがなかなか帰ってこない」

「子どもが夜通し遊ぶ」

みたいなことに繋がっていきます。

 

門限を設定する

門限を破ったら、叱る

子どもが反発する

子どもがあえて門限を破るようになる

っていうのは、親の心配も募るし、子どもの身の安全にも良くないですよね。

 

だから、

「門限を破ったら罰を与えたり、叱ったりする」

っていうのは、

「子どもに安全な時間帯に帰ってきてもらう」

っていうことにおいては、悪手です。

 

もちろん、門限を素直に守ってくれればいいんですけど、

「門限を約束にして、罰や叱責する可能性がある」

と、それは同時に、

「子どもが反発して余計に帰ってこなくなる」

っていうことを孕みます。

 

「親が罰を与えたり、叱責はするけど、子どもは絶対に反発しない」

っていうことはありません。

絶対に(笑)

 

親が罰を与えたり、叱責をする以上、

「子どもが反発をして、親の期待を裏切る」

っていう可能性は常に付きまといます。

馬としっぽの関係みたいなものです(切り離せない)。

子どもが門限を破っても、罰を与えたり、叱責をしたら逆効果になることがある。

 

門限の奥にある「親の本当の想い」を探る

 

じゃあ、子どもが門限を守らない場合にはどうしたらいいんでしょうか?

 

ここで、

「そもそも、なんで門限を設定しようと思ったんだっけ?」

っていうのを考えてみます。

 

「門限を設定しようと思った理由」

なんですけど、ここで考えるのは、

「門限にこめられた親の想い」

です。

 

これは、前回のブログ記事でも書きましたね。

「子どもにルールを設定するなら、ちゃんとルールの意味や目的を考えて、子どもに伝えて、理解してもらえるようにしよう」

っていうことです。

 

「18時までに帰ってこなければならない」

っていう門限を設定した場合、親からすると、

「子どもが18時を過ぎて帰ってくると不都合がある」

わけですよ。

言わずもがなやけど、18時っていう設定は適当ね(笑)

 

冒頭にも書いたように、親子間のルールは子どもをコントロールするためです。

でも、コントロールすることが全て悪いわけじゃないです。

子どもの気持ちや意志を無視してでもコントロールしよとするのがいけないだけ。

 

親が子どもをコントロールしようとするのにも、必ず理由があります。

その理由を親の方でちゃんと掘り下げて、言語化しておく。

そして、それを子どもにちゃんと言葉にして伝える。

 

親の想いが真っ当なものであれば、子どもにはいずれ必ず伝わります。

親の想いが、ただの親のエゴであるなら、子どもは反発をするか、ややこしい問題を引き起こします。

 

話を戻すと、

18時を過ぎて帰ってくると、何が不都合なんでしょうか?

これは大体、答えは1つかなと思います。

 

「子どもの身に危険が迫ったんじゃないかと親が不安になるから」

です。

 

言い換えれば、門限って、

「子どもの身の安全を守るために、18時までに帰ってくるように」

って言ってるわけです。

 

親の本当の想いは伝えないと伝わらない

 

ここから、すごく大事なポイントなので、心して読んでくださいね。

 

なぜ、親は、

「子どもの身の安全を守りたい」

んでしょうか?

 

それは、

「親にとって、子どもが何よりも大切な存在だから」

ですよね。

 

親が、

「子どもには生きていてほしい」

「子どもには無事でいてほしい」

「子どもには安心していてほしい」

「子どもには元気でいてほしい」

「子どもには笑顔でいてほしい」

「子どもとまた触れ合いたい」

「子どもとまた楽しくおしゃべりしたい」

からですよね。

 

これが、門限に込められた「親の想い」なはずです。

これを何というかと言えば、

「親の愛」

って言います。

 

これについて、本当に多くの親が、

「そんなの当たり前でしょ」

って思っちゃうんです。

当たり前だと思っちゃうから、わざわざ言葉にして伝えない。

 

違うんですよ。

これは全然当たり前じゃない。

少なくとも、子どもからしたら当たり前じゃない。

 

だって、今まで、子どもに何度かひどいことをしたり、言ったりしたこともあったでしょう?

それがダメだと言ってるわけじゃないよ。

子どもに対して、子どもが傷つくようなことをしたり、言ったりしてきたことは、親であれば1度や2度じゃないはず。

僕だってあります。

そうすることが良いとか悪いとかじゃない。

 

「親が子どもに対して、ひどいことをしたことがある」

っていうことは、

「子どもにとって、『親が子どもを大切に思っている』は当たり前じゃない」

ってことです。

 

親からしたら、子どもを大切に想うのは当たり前のことかもしれません。

でも、子どもからしたら、親が子どもを大切にするのは、当たり前じゃないんです。

 

っていうことは、

「親が子どもを大切にする気持ち」

すなわち、

「親の愛」

は、

「親がちゃんと言葉にしないと伝わらない」

っていうことです。

 

親が子どもを愛する気持ちを言葉にしないまま、

「18時までに帰ってきなさい」

っていう門限を設定しちゃうから、子どもからすると、

「親は、僕に(私に)嫌がらせをしている」

みたいに思われちゃうんです。

 

親のやることが、

「自分(=子ども)への攻撃」

だと思うから、子どもは親のやることに反発をするんですよ。

 

なので、親は、子どもに想いを伝えるためには、

「これはあなた(=子ども)への攻撃や嫌がらせじゃなくて、私の愛であり、想いなんだよ」

っていうことをちゃんと言葉にしないといけないんです。

 

子どもに与えるべきは「罰」ではなく「愛」

 

子どもが門限を破った時に、子どもに与えるのは、

「罰」

じゃなくて、

「愛」

です。

 

「今、何時だと思ってるんだ!!」

じゃなくて、

「あなたのことが大切だから、あなたに何かあったんじゃないかと心配になったよ」

みたいなことを伝えたい。

 

愛を伝えずに叱責をすると、

「お前の存在なんてどうでもいいんだ!」

って言ってるも同然です。

 

そんなこと思ってないでしょ?

でも、親の愛を言葉にしなかったら、子どもがそう受け取る可能性があるんです。

それは、親にとっても、子どもにとっても悲しいこと。

 

親子関係が上手くいかないほとんどの理由は、

「自分の気持ちを言葉にしていないから」

です。

 

親も、子どもも、ね。

ちゃんと子どもに対して、親の想いを言葉にして伝える。

そしたら、子どもも自分の想いを言葉にしてくれます。

 

「仲良しな友達と19時までは遊びたい」

とかね。

 

そういうことを話すことによって、

「親の想いと、子どもの想いの両方を満たす方法」

を考えていきます。

 

「子どものやりたいことを優先して、親の心配を我慢する」

とか、

「親の心配を優先して、子どものやりたいことを我慢する」

っていうのは、どちらも結論としてはいまいちです。

 

「親が心配せず、子どももやりたいことができる」

っていうために、どうしたらいいのか?を考えます。

 

これを

「コミュニケーション」

って言います。

 

もう一度繰り返すけど、子どもが約束を破った時に与えるのは、

「罰」

じゃなくて、

「愛」

です。

 

親の愛を言葉にして、子どもにたくさん浴びせましょう。

そしたら、子どもに少しずつ親の愛が伝わっていき、子どもが自分で自分を大切にするようになります。

これ、めっちゃ大事なので、ぜひこの記事は何度も読み返してみてほしいです。

 

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